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BANT情報とは?営業が知っておくべきフレームワーク
公開日:2022年6月20日
営業でよく使われるフレームワークとして「BANT情報」というものがあります。
このBANT情報を活用することで、案件の見込み度合いを判断できるなどさまざまなメリットがありますが、BANT情報について詳細を知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、BANT情報に関して基本的な知識と活用時の注意点などを解説していきます。
BANT情報を詳しく理解し、営業活動を効率化させたい方はぜひ参考にしてみてください。
BANT情報とは?
そもそもBANTとは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(必要性)」「Timeframe(導入時期)」の頭文字をとって省略したもので、BANT情報とはこれら4つに関連する情報のことを言います。
基本的には営業を行う上でのヒアリングテクニックを指しており、BANT情報を活用することで受注の見込みを高める目的があります。
具体的には、BANT情報として得られる4つの情報を、各々の案件に関して一定の基準を設けてチェックしていくことで、案件の見込み度合いを測定し、優先順位をつけていきます。
Budget:予算とは
予算の項目では、自社商品やサービスに対してどの程度の予算を予定しているかを明確にします。
商談などを通して、担当者が購入意欲を示していたとしても、購入予算がなければ最終的に購入には至らないため、予算の確認は非常に重要となります。
Authority:決裁権とは
決裁権とは、商品やサービス購入に関する稟議を承認する権利のことで、この決裁権をもつ人に提案できているかを確認します。
営業活動において、最初にアプローチするのは決裁権を持たない担当者のケースが多いです。
そのため、商談を進めるなかで、決裁権を誰が持っているのかは把握しておくようにしましょう。
さらに、日本企業の多くでは、複数の部署や担当者をまたいでの承認が必要な場合もあります。
そうなると、決裁者が購入意志があったとしても、現場の反対で承認が難しくなってしまうことがよくあるのです。
決裁権を持つ人が誰なのかに加え、どのような承認ルートかを把握しておくことで、成約率を高めることができます。
Needs:必要性とは
ここでいう必要性とは、企業が自社の商品やサービスに必要性を感じているかどうかということです。
担当者が商品やサービスに対して興味を持っていたとしても、企業として必要性を感じていない場合、成約に至ることはありません。
必要性を確かめるには、相手の要望に対して自社の商品やサービスの内容がマッチしているかを確認する必要があります。
Timeframe:導入時期とは
導入時期が具体的に決まっているかを確認することで、案件の見込み度合いを測ることができます。
商品やサービスを最終的な導入時期だけでなく、導入検討〜決済に至るまでの商談のステップごとにスケジュールを明らかにしておくことが大切です。
具体的な導入時期を明確にすることで、案件の進捗管理や優先順位づけを行いやすく、管理しやすくなります。
BANT情報を活用するメリット
ここでは、実際にBANT情報を活用した時のメリットについて解説していきます。
具体的には以下のようなメリットを挙げられます。
- 成約基準の明確化
- 情報共有がしやすい
- 営業部全体の効率化
成約基準の明確化
BANT情報を活用することで、営業活動における成約基準を明確化することができます。
BANT情報では、予算、決裁権、必要性、導入時期という成約時のハードルとなる部分に関する情報を収集できます。
そのため、案件ごとにどのような課題をクリアすれば成約に至るかを明確にでき、とるべきアクションの方向性を決め、効率的な営業活動を行えます。
情報共有がしやすい
BANT情報を活用することで、情報共有がしやすくなるという点も大きなメリットです。
BANT情報では、明確な指針に基づいて案件を分析及び管理できるため、情報共有に個人の経験や直感が介入しにくく、効率的な情報共有ができます。
また、情報共有を効率化できるため、成功パターンなどの共有もしやすくなり、成約率の向上にもつながります。
営業部全体の効率化
BANT情報の活用は、営業部全体の効率化にもつながります。
例えば、明確な基準に従い案件を管理できるため、営業部全体の戦略立案なども効率化できます。
BANT情報を元に、それぞれの案件で最適なアプローチを組織的にできるため、営業部全体でアプローチを共有できれば、誰でも一定の成果を出しやすくなるでしょう。
さらに、営業部のボトルネックにも気付きやすくなるため、営業部全体の活動レベルの向上が期待できます。
BANT情報を活用する際の注意点
BANT情報を活用する際にはいくつか注意点も存在します。
具体的には以下の点が挙げられるでしょう。
- 最初から全ての情報が揃うわけではない
- BANT情報に拘り過ぎない
最初から全ての情報が揃うわけではない
BANT情報を収集する際には、最初から全ての情報が揃うわけではないという点は留意しておきましょう。
特に、商談の場においてBANT情報を集めようという目的意識ばかりが先行してしまうと、相手とのコミュニケーションがうまくいかず、結果として必要な情報を収集できない可能性もあります。
商談においては、その場の空気感を大切にし、相手とのコミュニケーションを円滑にすることを第一に考え、信頼関係を築いた上で情報収集に臨むことが大切です。
BANT情報を一気に集めようとせず、相手との信頼関係構築を優先していきましょう。
BANT情報に拘り過ぎない
BANT情報を活用する際、BANT情報だけに頼りすぎないよう注意しておきましょう。
実際にBANT情報で収集できる予算、決裁権、必要性、導入時期などは、それぞれの企業やサービスによって大きく異なってきます。
さらに、BANT情報以外の要因でも成約するかどうかに影響するものもあるため、BANT情報だけを頼りにしてしまうと、成約の見込み度合いを見誤る可能性もあります。
そのため、相手との商談がどのようなプロセスで進んでいるのかをしっかりと把握する必要があります。
また、BANT情報を実際に用いるためには、自社の環境下にてちゃんと機能するよう、フレームワークを自社に合わせたものにカスタマイズする必要もあるため、注意が必要です。
正確なBANT情報がなかなか入手できない場面においては、無理やりBANT情報を活用しない方が効率よく案件管理が行える場合もあり、営業活動がしやすい場面もあるでしょう。
bant情報とは?営業が知っておくべきフレームワークまとめ
BANT情報を活用することで、予算、決裁権、必要性、導入時期など自社の商品やサービスの成約につながる情報を収集でき、成約基準の明確化や営業部全体の活動効率化にもつながります。
そんな便利なBANT情報ですが、あくまで情報収集時には相手とのコミュニケーションを第一に考え、信頼関係構築をしていくことが大切です。
また、BANT情報以外にも成約につながる要因もあるため、BANT情報だけを頼りにせず、商談のプロセスがどのように進んでいるかをしっかりと把握し、多角的に分析していくことも大切となります。
BANT情報をうまく社内に取り入れ、成約率の向上を目指しましょう。